top of page
知りたいことを知ること

知りたいことを知ること

知りたいことに納得するまで向き合う時間がなかった

この島では、わからないまま問いとして持っていられる

総合文化雑誌の編集部にいた元記者。

中央広場区の宿「旅人の交差点」二階角部屋を拠点に、島内を巡っている。


匂い、声の調子、手の動きなどの小さな気配から問いをふくらませ、手帳に短く記す。

夜は机に向かい、気になったことを記したメモを読み返しては、知れたことと残った疑問を並べて整える。

この島では、“知りたい”の前に立ち上がる出来事の濃さに圧倒されつつ、自分の歩幅で近づき方を探している。


自分のことを尋ねられると少しだけ鼻先を掻く癖がある。


宿の机の引き出しに、燈書房で出会った評論家Kの古い著書と、そこに挟まっていた画家の手紙を大切にしまっている。

観測メモ

毎日の気づきを書き留める

02/21 午前|くもり|キュリオ:クイルが古書から押し葉を取り出して見せてくれた。本から得られるのは紙だけじゃないねとクイルが微笑んだ

02/17 午後|くもり|キュリオ:スウキィ・スクエアで石畳の模様を見つめる人がいた。その静かな気配を手帳に書き留めた

02/15 午後|晴れ|キュリオ:夕暮れのベンチで楽譜を眺める音楽家を見た。聞こえない音を紡ぐ指の動きをメモした

02/14 午後|晴れ|キュリオ:広場の噴水に小さな虹が浮かんだ。子どもが目を輝かせる一瞬を手帳に書き留めた

02/06 午前|小雨|キュリオ:広場の濡れたベンチに誰かの忘れ物を見つけた。宿に持ち帰ってラルフに預けた

bottom of page