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いろんな好きが混ざっていく瞬間

いろんな好きが混ざっていく瞬間

私、前は沈黙が怖くて仕方なかったんだけどね

今は、みんなを眺めて私も笑えるのが幸せ

中央広場区の角で「クロスロードカフェ」を営む、キツネのアンバー。

彼女がいちばん惹かれるのは、いろんな「好き」が混ざり合う瞬間だ。


好きはひとりで抱えていてもいい。

けれど誰かの言葉や手つきに触れたとき、好きはほどけて、別の好きと出会い直す。

アンバーはその気配に、いつも耳を澄ませている。


だから彼女は、会話の中心に立ち続けない。

初めての人が来たら、そっと橋をかける。

深い話が始まったら、黙って見守る。

混ざるのが好きだからこそ、混ざらない自由も守る。

店には「今日はちょっと」が言える空気がある。


そんな彼女の朗らかな笑い声は、広場の名物になった。

場を引っ張るためじゃない。「ここにいていいよ」と、空気をほどくためのものだ。

今日もこの交差点で、誰かの好きが自分のままでいられるように。

アンバーの日記

何があったか忘れないように、寝る前に書いているわ

03/22 夜|晴れ|アンバー:モリトが本を広げ、リリィが新しいメロディを口ずさんでいた。その間にそっと、温かいお茶を置いた

03/11 昼|曇り|アンバー:古い珈琲豆の袋を開け、顔を近づけて目を閉じた。しばらくそのまま、香りの中にいた

03/08 夜|小雨|ゴムリ:水滴の音がいつもより速くて落ち着かなかった。水滴の落ちる場所に瓶を置いて音を整えた

03/07 午後|曇り|アンバー:メイヤーがリリィの歌の話をした。温かいお茶を先に用意して、窓から少し離れた席へ案内した

03/02 昼|曇り|アンバー:ハニーのパンの香りに引き寄せられてアムリィが立ち寄った。話が途切れそうな頃合いに、新しいハーブティーをそっと差し出した

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